【第2回】素人でもできる!映画を作りたいあなたへ〜自主映画制作の道〜
自主映画制作ハウツーシリーズ第2回目です。
今回は、実際に自主映画を作ろうと動き出す前に、制作全体の進行つまりワークフローについて解説します。
映画制作は団体行動
「映画を作りたい!」といざ思い立っても、シナリオや作品イメージが何もできていない状態では映画を作ることは難しいでしょう。
なぜなら、後述のワークフローの部分でも触れますが、映画制作というものは準備の段階から実際の撮影期間や編集を経た完成の段階までを一人で行うこと不可能なことであり、多くの人に自分の作品作りのために動いてもらうことになります。
その規模が大きくなればなるほど、より多くの人の時間と体力そして創造力を使わないといけなくなるため、監督となる人自身が制作する作品のイメージを強く持っておく必要があります。
このような心構えをしっかりと持っていないと、制作途中で頓挫してしまったり、仲間割れが起きてしまったりと、より多くの困難を伴う撮影をしなければならなくなります。
脚本段階が一番面白い
ここまでで説明してきたように、自主映画の大きな良さとして監督(ストーリーを考える人)に、興行収入のことを考える必要がないため、制作する作品の縛りがないことがあげられます。
作りたい作品を作りたいように作れる分、脚本最大限面白くして自分の描きたいように描くというのが一番の困難なところであり醍醐味なのです。
ただやはり商業映画と比べて、人材もお金も十分に用意することが困難なのが自主映画の限界点ではあるために、「脚本段階が一番面白い」ということを自覚する必要があります。
自分の思い描いた作品を、満足のいくように制作するためには制作に関わる人の能力を最大限に引き出す、監督として技量が試されることになります。
制作過程のワークフロー
自主映画には尺の面で見ても様々な種類があり、描きたいシナリオの内容に合わせた適切な長さにする必要があります。
その長さで制作の大変さも大きく変動していきます。
今回は、制作する映画が1分の短いものであれ90分を超える長編のものであれ、変わることのない制作過程全体のワークフローを紹介します。
映画制作は大きく分けて3つの行程を経ていきます。
-
プリプロダクション
撮影期間に入る前の準備段階のことで、脚本作り・キャスティング・スタッフ集め・予算組み・スケジューリング・美術や衣装の準備・ロケハン・リハーサルなどあります。この段階でいかに良いスタッフ編成をし、入念な準備ができるかによって実際の撮影期間がどれほどうまく進んでいくかが決まります。
-
プロダクション
実際に現場にキャスト・スタッフを連れて撮影する段階のことで、勢いと運に任せてシーンを撮りきるというエネルギッシュでありしんどい期間です。ここでは撮影や音声などのスタッフの技術が試される場なので、監督はイメージを的確に伝えてスタッフを信じましょう。
-
ポストプロダクション
撮影した素材を編集する段階です。編集者の孤独な戦いとも言えますが、未熟な素材たちを生かすも殺すもこの段階に辛抱できるかで決まります。また、音声の素材音作りやアフレコ、整音といった作業もこの段階で行います。全ての素材を編集し終えて一続きのシークエンスにまとめたら、いよいよ映画の完成です。*撮り忘れなどに気づいてスタッフたちの地獄のような顔を見ることになるのもこの段階です。撮り残しの無いように撮影現場で頑張りましょう。
このようにして自分の作りたい映画を完成に持っていきます。短ければ1日で、長ければ数年以上かけて制作をしていくことになることもあります。
完成した後は
無事完成した作品を自分の懐で寝かせておくというのはもったいない話なので、外部に向けて上映したり自主映画の映画祭などに出品して、制作を手伝ってくれたスタッフに感謝を表すとともに、作品を生かしてあげましょう。
自主映画の映画祭では、ぴあフィルムフェスティバル(PFF)という映画祭が最も大きく、様々な映画監督も輩出されてきています。
まとめ
今回は映画制作全般での心構えを含めて、制作過程のワークフローを紹介してきました。
大きく分けた3つの制作段階の中にも細かに注意が必要な作業がたくさんあります。
次回以降は、映画制作の中での細かなハウツーを自分の経験を踏まえて紹介してきます。